徳島県のかずら橋には、平家の追手を阻むインバウンドカップルがいた!

今回は、四国の旅の第2回、徳島県をお届けします。10時14分、多度津駅に「いしづち5号」で到着した私達は、今度は高知行き「南風5号」に乗り換えて徳島県に向かいます。多度津駅では松山方面に向かう予讃線(下の時刻表の黄色の路線)と高知方面に向かう土讃線(下の時刻表の赤色の路線)と別れます。

春爛漫の日差しを浴びて、「瀬戸の花嫁」のBGMの中、10時48分、つぎに乗る「南風5号」がホームに到着しました。

今回の四国の鉄道旅は、JR四国が運用している「四国グリーン紀行」を利用してキップを購入しました。「四国グリーン紀行」は四国を特急列車グリーン車を使って回ることが出来るフリーキップです。

このキップを使えば4日間、JR四国全線を特急列車のグリーン車指定席や普通車指定席や自由席が乗り放題となります。(グリーン車がない特急列車もありますので注意)そのうえ、観光列車(寝台特急サンライズ瀬戸は除く)も含まれます。(ただし、残念なことに2025年4月から、伊予灘ものがたり、四国まんなか千年ものがたり、四国土佐時代の夜明けものがたりの「ものがたり列車」は、別途グリーン券、特急券が必要になりました。)

値段は大人23000円で子供料金はありません。キップ購入方法は①JR四国のみどりの窓口で購入②JR四国ツアーWEB予約③指定席券売機④旅行会社からがありますが、四国に住んでいない方は②のJR四国WEB予約から予約するのが便利です。

方法は、まずJR四国ツアーWEB会員になって、四国グリーン紀行から申込みができます。そのあと、指定席を希望する場合、列車の「日付」「列車名」「区間」の希望をメールでリクエストします。(座席の指定は出来ませんので、おまかせとなります。)なので、あらかじめ計画を綿密にして、いつ、どの列車で、どこからどこまで乗車するのかを決めておく必要があります。

そのあと、希望する列車の予約が出来たかの結果が、メールで届き支払いとなります。
支払いはクレジットカードかコンビニ支払いでできます。

その後、全てのチケットが郵送で送られてきます。

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今回の列車旅の送られてきたチケットです。全部並べてみました。「しまんトロッコ」や、このときはまだ「伊予灘ものがたり」の指定席券も取ることができました。

なお、「四国グリーン紀行」の申込みは、電話でもできるそうです。くわしくはJR四国のこちらの「JR四国ツアー」「四国グリーン紀行」のページを参照ください。

指定席券だと乗る列車が決まってしまうので、自由席でも構わないというかたには、3日間、特急列車の普通自由席が乗り放題の「四国フリーきっぷ」料金大人18000円というのもあります。また、誕生月に四国に行くなら「バースディきっぷ」もお得です。

それから、もし旅の計画を立てるとき、時刻表がわからず、どこからどこまで行くには、何日の何時にどの列車に乗って行けばいいのかを、すぐに調べることが出来るアプリ「Yahoo!乗換案内」がお勧めです。

これを使えば、何日の何時にここからここにいくには、どの列車があるのかが、日付けや出発したい時間や到着したい時間、駅名を入力して検索するだけで調べることが出来ます。乗り換えルートや運賃、駅情報、運行情報もわかりますので、大変便利です。ぜひ、使ってみてください。

無事「南風5号」に乗車。「南風5号」はグリーン車なので、座席シートが豪華です。リッチな気分でさぬきビールとじゃこ天で乾杯しました。

そして、いよいよ徳島県に入りました!案山子たちも歓迎してくてます!

そして、11時41分、徳島県の「大歩危駅(おおぼけえき)」に到着しました。

「大歩危駅」は目の前が吉野川で、川のせせらぎが聞こえ、とても清々しい気持ちになります。駅も素朴な佇まいでのどかな風景が広がっています。

駅前にはあのゲゲゲの鬼太郎にも登場する「児啼爺(こなきじじい)」の置物がありました。じつは子泣き爺は、この地域の三好市山城町上名が伝承の発祥地とされていて、児啼爺の石像や碑があります。じゃ、せっかくなので「子泣き爺」とツーショット。

近くには「大歩危峡」と呼ぶ峡谷があり、「大歩危峡観光遊覧船」で川下りが出来ます。往復4キロで約30分、料金は大人1500円です。

新緑も綺麗なので、せっかくだから遊覧船に乗ってみようとおもい、早速、ここから歩いて遊覧船乗り場まで向かうことにしました。徒歩で約25分です。ところが、これが結構遠かった!駅から下の写真にある橋を渡って、向こう岸を延々と歩いていくのですが、日差しも強くなってきて、結構大変でした。

鯉のぼりたちも、みんな♪面白そ~に泳いでる~♬。

でも、久々に春の日差しを満々と浴び、道すがら見える渓谷や新緑の山々を眺めながらのんびりと歩いていると、ハイキングをしている気持ちになって癒されました。

遠くに見えていた建物を目指して、ようやくとたどり着いて中に入ってみると、「本日、前日の大雨で水量増加の為、欠航」の張り紙が。が~ん!ショック!

でも、まあしょうがないですね。自然には逆らえません。あきらめて帰りはバスが駅まで出ていることがわかったので、これに乗ってまた駅までもどろうと思ってたら、その先の今晩宿泊する「ホテルかずら橋」まで行ってくれることがわかり、そのままバス(四国交通バス)に乗車。

バスは山道をすすんで、どんどんと標高が上がって行きます。駅も遠く下のほうに見えます。

新緑に萌える山並みが雄大で美しいです。

そして、バスはほどなく「ホテルかずら橋」に到着しました。

「ホテルかずら橋」は後でご紹介しますが、ケーブルカーで登る大露天風呂や囲炉裏を囲んだ郷土料理で有名です。その人気は国内はもとより、SNSでも広がって、評判を聞いた外国の方達もたくさん宿泊されています。うしろに、ホテル専用のボンネットバスが止まっています。

まだチェックインするにはちょっと早かったので、「祖谷かずら橋」に行くことにしました。宿で送迎車を出してくれるそうなので、荷物を預かってもらい、早速お願いしました。ホテルから車で約5分で到着します。

到着して、車から降りて上の橋から下を覗いてみると、見えました。おお~、これは結構、怖そうなつり橋ですね。通行料は大人550円です。

かずら橋は、シラクチカズラ(重さ約6トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14m。 祖谷地域は、屋島の合戦に敗れ逃れた平国盛と安徳帝の一行が、平家再興を願い土着したと伝わる隠田集落で、近代まで外部との交通が隔絶されていたため、かずら橋が昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設でした。

国の重要有形民俗文化財に指定された日本三奇橋にも数えられるかずら橋の由来には諸説あり、平家の落人が追手から逃れるために切り落とせるように作ったとする説や四国を巡行された弘法大師が困っている村人の為に作ったという説などが伝えられていています。〈三好市公式観光サイトより〉

由来の看板もあります。英文の翻訳文もついています。

ちょっと怖かったので、渡ろうかどうしようか迷いましたが、せっかくなので通行料を払ってつり橋を渡ってみることにしました。

おお~橋の上から、眺めてみるとなかなかの景色ですが、高所恐怖症の人はちょっと無理かも。

足元をみると、結構大きなすきまがあって迫力満点です。くれぐれもスマホやカメラは落とさないように注意が必要です。

と、ここで事件発生!なんと、インバウンドで来られたカップル(フランス人?)が、橋のど真ん中でラブシーンの真っ最中ではありませんか!よりによって、こんなところで⁉「やめてくれ~!他に行ってやってくれ~!」と、心の中で叫びました。

おかげで、足元は見ながら、前方は見ないようにしながらと、盛り上がっているカップルの脇をゆっくりと「エクスキューズミー」と声をかけ、「はい、はい、ごめんなすって、ごめんなすって」と言いながら、なんとか無事に渡ることが出来ました。

まったく、平家の追手が来た時みたいに、葛をなたで断ち切って、谷底へ落としたくなりましたぜ、だんな。(;^_^A

橋を渡ってから近くにある「琵琶の滝」に行ってみました。「琵琶の滝」は平家の落人が京の都をしのび、この滝で琵琶をひいたことから名付けられた言われています。落差約40mあります。

滝のマイナスイオンに充分癒されたあとは、その先の遊歩道から祖谷川の川辺まで降りてみて、しばらくせせらぎを聞き、新緑の山々を眺めてから、ホテルにもどることにしました。

「ホテルかずら橋」は、SNSなどで人気が広がり、世界中からインバウンドで来日した外国の宿泊客がたくさんいらっしゃっています。この写真は、自分の国に旗を立てるようになっていた世界地図です。ロビーに貼っていました。

チェックインをすませ、部屋でお茶で一服したあと、評判の「天空露天風呂」にいってみます。ここへはホテルの敷地にあるケーブルカーに乗って行きます。

ケーブルカーは、自分でスイッチを押して登り降りします。これがなかなか楽しいです。

ケーブルカーを降りると、こちらが「天空露天風呂」(写真はホテルかずら橋HPより)です。ロケーションもお湯も最高でした。泉質は単純硫黄泉で疲労回復や美肌効果があります。

他に内湯大浴場や貸切風呂もあります。

ひとっぷろ浴びて、そろそろお腹も空いてきたころ、夕食の準備ができたと連絡がありました。夕食は、一階の宴会場「田舎亭」に移動します。ここには、全席に囲炉裏がついています。囲炉裏での食事は、秋田県乳頭温泉いらいです。

宴会場には、先程行ってきた、ホテルの名前にもなっている「かずら橋」の絵がありました。

夕食はこんな感じで、この地域でしか味わえない郷土料理で、どれもおいしかったです。鮎の塩焼きや祖谷そば、珍しかったのは「でこまわし」と呼ぶ岩豆腐、玉こんにゃく、じゃがいもを串に刺し、少し甘めの自家製味噌で、串を囲炉裏にたて、回しながら焼いて食べる郷土料理は初めて食べました。「でこまわし」は阿波人形浄瑠璃の「木偶人形(でくにんぎょう)」が頭を回す姿に似ているため、この名がついたそうです。

食事がすすみ、地酒も飲んでほろ酔い気分になっていたら、ホテルの女将さんがきて、皆さんにご挨拶をされました。そしてそのあとに、祖谷で歌い継がれた「祖谷の粉挽き節(歌詞は下の写真)」をソロでアカペラでご披露してくださいました。

女将さんの心に染み入る歌声には、私達を含め、会場にいた人や外国のお客様たちも大感動しておりました。生の歌声というのは、本当にいいものだなぁと感じ、これは是非とも真似をさせて頂こうと思いました。(真似してどうする!?)

翌朝です。朝ごはんも囲炉裏を前にしていただきます。豆乳の豚鍋が身体が温まっておいしかったです。

そして、チェックアウトをすませ、ふたたび大歩危駅を目指して、バスで下山します。

途中、「平家屋敷民俗資料館」がありましたが、残念ながら寄る時間がなかったので行きませんでした。

ふたたび大歩危駅にもどってきました。大歩危駅の近くに吉野川に沿った小さな公園があり、まだ時間があったので、待ち時間の間、大歩危だけにボケーとして、のんびりと川を眺めていました。あたりには鳥の声と川のせせらぎしか聞こえてきません。

そして時刻は9時42分、今度は「しまんと5号」に乗って、次の目的地の高知県、高知駅をめざします。「しまんと5号」がやってきました。

さあ、次回はいよいよ四国3県め、高知県に突入します。果たして坂本竜馬に会えるのか!?

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この記事を書いている人

32年間の自営業を退職後、がん手術で入院。再び元気を取り戻してから、只今、気ままに各地を漫遊中。
《趣味》なんちゃって山歩き、乗り鉄初心者、自宅カラオケ。
《好きな物》クラフト地ビール、ドラクエシリーズ。
《特技》イラスト書き。
1959年生まれのアクティブシニア  神奈川県在住

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