前回、初のストーブ列車に乗るため、奥羽本線に乗車し、青森駅から川部駅に向かう途中で、大雪の影響で電車が止まって立ち往生したところまででした。
このとき電車内は、観光客の方も多く結構混んでいて、座席に座れずに立ったままの人もいらっしゃいました。
このまま動かなければ、川部駅で乗り継ぐ12時56発の五能線には間に合わず、結果、これに乗れなければ14時40分発のストーブ列車はアウトということになります。
ま、そうなったらそうなったで仕方がない、ストーブ列車はあきらめて計画を変更し、五所川原駅近くにある「立佞武多の館」見学でも行こうかと、相談していたところ、ふたたびゆっくりと電車が動き始めました。
車内アナウンスがあり「只今、前方方向の積雪の障害が解決されました。これより電車の運転を再開します。また、川部駅では当初12時56分の五能線が、この電車の到着を待ってからの出発となりますので、乗り換えの方はお急ぎ下さい。」
えっ!と、いうことは五能線が川部駅で、この電車を待っていてくれてるということ?!これならストーブ列車に間に合います!ありがとう五能線!!
と、いうわけで川部駅のホームで待っていてくれた五能線に急いで乗り換えて、今度は五所川原駅に向かいます。
そして「五所川原駅」に30分遅れの14時過ぎにようやく到着。待っていてくれた五能線のおかげで、まだ時間に余裕があります。
津軽鉄道の「津軽五所川原駅」駅舎は、このJR「五所川原」駅のすぐ隣にあります。いったん外に出て徒歩で向かいます。「津軽五所川原駅」の上には「ストーブ列車」の看板。
扉の引き戸も木製でなかなか風情がありますね。
なかに入ってみると、これまたレトロな雰囲気でいいですね。
待合室には大きなストーブもあります。
売店には、ストーブ列車の記念グッツやお土産、おつまみ、お酒もあります。
津軽鉄道のストーブ列車はここから終点「津軽中里駅」まで走行距離20.7kmを約45分かけて走ります。
もちろん、ストーブ列車の他に普通列車も走っています。ストーブ列車は観光列車になります。
料金は、片道1人1000円+運賃(津軽五所川原から津軽中里までの場合は870円)合わせて1人1870円になります。
往路は団体の方もいたので混雑すると思い、行きはストーブ列車車両に乗らずに連結する普通車両(走れメロス号)で行き、帰りの復路で乗ることにしました。
外国の方も並んでいました。キップの購入を説明するのは大変そうです。英語文の説明書きありました。
そろそろ、改札の時間となりましたのでホームへ向かいます。
ホームに降りると、すぐ横で除雪車両が雪をかき分けて作業していました。
また、ホーム脇にはラッセル車が存在感を出して止まっていました。
そして、ストーブ列車についに出会うことが出来ました!もう、全身が「走る冷凍庫」です!
ストーブ列車が2車両に一般車両の走れメロス号が先頭に2車両連結しています。
走れメロス号も雪まみれで、顔の「走れメロス」の文字も見えなくなっています。
私達は、こちらのほうに乗ります。こちらは一般車両ですので、ガラガラでした。そして、いよいよ津軽中里駅へ向かって出発です!
途中の「嘉瀬(かせ)駅」のすぐ線路脇には、元スマップメンバー(新しい地図)の香取慎吾さんと当時の子供達が電車をキャンパスにして描いた「キャンバス列車」が見えます。
そして、「金木(かなぎ)駅」に到着。
金木駅では、単線なので上りと下りの列車のすれ違いがあり、ここで手渡しで通票(タブレットとスタフ交換)の受け渡しがあります。
残念ながら、手渡しの瞬間はボケっとしていて撮りそこないました。(;^_^A
金木駅の近くには、作家の太宰治の生家である、太宰治記念館「斜陽館」があります。斜陽館は、入場料大人600円です。近くに津軽三味線会館がありますが、12月~3月末までは閉館中です。こちらも大人600円です。斜陽館+津軽三味線会館だと1000円です。
私達は降りませんでしたが、斜陽館を見学される人はこの駅で降ります。
そして、桜のトンネルができる「芦野公園駅」などを通り、ついに終点「津軽中里駅」に近づいてきました。
「津軽中里駅」は日本最北の私鉄駅です。ここから先には線路はありません。いよいよ東北最果て感が出てまりました!
しかし、ここで「物凄い地吹雪」が! もう、まったく線路も見えない中でも、地吹雪もものともせず津軽鉄道はガシガシ進みます!
その時の「地吹雪」全面展望の動画がこちらです!(1分22秒)
そして、「津軽中里駅」に到着です。ついに日本最北の私鉄駅の終着点まで来ました!
ついでに記念写真も撮っときます。
「ここにふるさとがある本州最北の民鉄」との看板に哀愁を感じます。
ストーブ列車の顔「ストーブ」のデザインがみえてます。
さあ、このあと復路は、いよいよストーブ列車に乗車します!
まずは売店で車内で食べる酒のつまみを購入してきました。お酒は既に買ってあり準備万端です!席は全席自由席になっていますので、早めに乗ってストーブ前席を確保します!
さっそく、駅員さんが石炭をストーブに入れて火力をキープしてくれて、おかげで回りはいっきに暖かくなりました。
駅員さん、ありがとうございます!
ストーブ列車と言ったらこれ!
「するめ」を注文しなくっちゃ、ということで早速注文しました。するめは顔くらいの大きさで、一枚800円ですが、結構食べ応えがあります。
頼んだするめはお姉さんがストーブの上で軍手をした手で押し付けて焼いてくれます。
そして、焼けたするめは、席まで持ってきてくれて、目の前で裂きイカにしてくれます。
お礼を言うと「大丈夫、これも料金に入っているのでたくさん食べて」と言われました。
するめのほかにも、津軽中里駅で仕入れてきた、おでんや串ものをつまみにワンカップ酒「ねぶた」で乾杯しました。
おなかもふくらみ、お酒もうまくなった頃、控えめに奥のデッキからマイクを持ったガイドさんが、津軽弁でガイドしてくれました。
津軽鉄道の歴史や周辺の歴史をわかりやすく説明してくれて、楽しく時間を過ごすことができ、いい思い出になりました。
ストーブ列車、ありがとう!
さて、再び「津軽五所川原駅」にもどり、再び五能線「五所川原駅」にもどってきました。時刻は16時45分です。
ここからは、五能線でこの先の今晩泊まる宿がある「陸奥鶴田駅」に移動します。所要時間は6分です。予定では、16時46分発で16時52分には到着です。
しかし、ここでまたもやアクシデント発生!
来るときの奥羽本線に引き続き、今度は五能線が遅延して、つぎの列車の到着が約40分ほど遅れているとのこと。
まあ、人間ここまでくると、多少の遅れくらいでは驚かなくなってきます。ここまで来たら、あとは何とかなるさ。どうせ死ぬわけでもないし。
と、仙人みたいなことをいっていましたが、このあと大変な状況になりました。
さっきから吹雪いていた雪が、天候がさらに悪くなってきて、いよいよ猛吹雪になってきました。もう、駅のホームには立っていられないくらいです!
その時の衝撃映像がこちらです!(43秒)↓
ひえ~!吹雪に巻き込まれて命からがらで、遅れて到着した五能線に乗り込み、無事「陸奥鶴田駅」に到着しました。
幸いなことに、駅に着いたら吹雪もなんとかおさまってきました。
陸奥鶴田駅に向かう前に、今晩泊まる宿「山田温泉旅館」に列車の遅延で到着が遅れることを連絡したとき、「宿に行く途中に何か目印になるものはありますか?」と聞いたところ「そうですね~、目印になるものは本当に何もないんですよ~」とのこと。
例によって、駅には誰もいないし、タクシーもないので、徒歩8分なので、またグーグルマップの案内を頼りに宿まで歩きます。
こういうときは「目的地まであと〇分です。」のガイド音声が頼もしく感じます。
そして、なんとか「山田温泉旅館」にたどり着きました。
もう、全身寒さで凍えそうだったので、早速、チェックインをすませて、大浴場に入りに行きました。
お湯はかけ流しで、空いていれば24時間入れます。
けっこう熱湯でしたが、足元から時間をかけゆっくりと湯船につかると、だんだんとなじんできて、あったります。あがったあとも、しばらくは汗が止まりませんでした。いいお湯です。
写真は大浴場です。湯船は大人3~4人くらいでいっぱいのサイズでした。
遅れて到着したため、入浴後はすぐに夕食時間です。夕食は大広間で頂きます。
夕食は、天ぷら盛り合わせ、刺身の盛り合わせ、ゴマ豆腐、焼き魚、デザートのリンゴと、あと、この鍋は何かな~?と、ふたを開けてみると、ん、おでん!
おでんは、今日ストーブ列車の中で食べたばかりです!
こ、これは、もしかして、まさか、恐怖の第4のダブルブッキングです!
しまった~!この流れはまだ続いていたのか~!まったく油断していました!
なんだか、またやな予感が・・・(;^_^A
そう思うと、どっと疲れが出てきましたので、もう早めに寝ます!
明日はいよいよ最終日、「立佞武多の館」を見学して、青森では、最後に一度食べたかった名物「味噌カレー牛乳ラーメン」を食べて帰ります!
そして翌朝、朝風呂に入り、朝食を頂いて山田温泉旅館をチェックアウトしました。
山田温泉旅館は部屋も広くて、値段もリーズナブルで(私達は2食付きで一人一万円しませんでした。)、温泉もかけ流しで入れてなかなか良かったです。
今日は五所川原にある「立佞武多の館」に行きたいのですが、また昨日のように五能線がまた遅れる可能性もあるので、ここは思い切ってタクシーで行ったほうがいいと考え、宿にタクシーをお願いしました。
あとで考えてみると、この判断は大正解となりました。
宿に迎えに来たタクシーの運転手さんは、流暢な津軽弁で気さくに話してくれます。多少、意味が不明なところがもありますけど、津軽の人の気質や生活をいろいろと教えてくれました。
前を走るトラックの荷台には除雪した雪が高く積まれ、雪捨て場に運ばれていきます。
雪国の人たちは、冬のあいだ、除雪に悩みながら、除雪と闘いながら日々、暮らしていかなければならない。
その苦労は、めったに雪が降ることのない場所に住んでいる私達には、とうてい計り知れないものだと実感します。
今でもたまに、ちょっと降っただけで首都圏はもう大混乱してますからね。
反省と感謝です。
さて、そうこうしているうちに「立佞武多の館」に到着しました。
立佞武多(たちねぷた)の館は、この建物の横にある入口から入ります。
立佞武多は、高いものは高さが23メートルもあり、明治時代、当時の大地主さんが自分の力をみせるため、山車の高さや大きさを競いあうようになり、現在の高い立佞武多となったとのこと。
のちに電線が普及したことで高さに制限ができ、また、戦争で製作資料が紛失してしまい、一時は高い立佞武多がみられませんでした。
その後、平成になってから山車の設計図が見つかり、立佞武多は再び復活しました。毎年の8月のお祭りでは、写真にある建物の窓ガラス部分可動式の扉になっており、ここから立佞武多3台が出陣します。
入場料は大人650円、美術展示ギャラリーは300円です。なお、今後、2025年の4月1日から6月末まで大改修工事のため休館となりますのでご注意下さい。
入口から入るとカフェや売店があり、その奥の扉の向こうにありました!
大きいです!さすがに存在感があり、暫くだけにしばらく見上げていました!
館内は吹き抜けになっていて、エレベーターの中からも眺めることができます。館内はらせん状にぐるっと回って製作過程や過去の立佞武多の歴史を見学しながら下に降りて来られます。
また、大型スクリーンによる津軽の四季やお祭りの上映があります。
人の大きさと比べても、かなり高さがあることがわかります。
閻魔大王様も怖くて迫力満点です!もう、悪いことはしません!ごめんなさい!
素戔嗚尊をエレベータで上がって上から目線でみてみました。
この日は、「閻魔」「素戔嗚尊」「暫」の3体が展示されていました。
出口近くに、かの有名な演歌歌手、大スターの吉幾三先生のパネル写真があったので、ツーショットを撮らせて頂きました。
タクシーの運転手さんから聞きましたが、この近くには、吉幾三コレクションミュージアムがあるそうです。
さすが、五所川原の英雄、稼いでますね~
時間がなく行きませんでしたが、興味があるかたはどうぞ。
さて、立佞武多の館も堪能できたし、あとは、青森駅にもどって味噌カレー牛乳ラーメン食べてさっさと家に帰ろうと思っていたのですが・・・
津軽の雪をなめてはいけません!
立佞武多の館から徒歩8分で五所川原駅なので、歩いて五所川原駅にもどることにしました。そして、五所川原駅にもどってびっくり!
電車が止まっています!
「五能線は雪の影響で現在運休中です。復旧は午後20時頃となる予定です。」との張り紙が改札の横にありました。
うそでしょ~!と、ショックで、おろおろしながら駅員さんに「私達は青森駅に行きたいんですけど、どうすればいいのでしょう?」と聞くと「バスしかないね」と、駅前のバス乗り場を指をさして教えてくれました。
と、いうわけで予定を大幅に変更して、バスで青森駅へ向かうことになりました。バスは弘南バスです。
まあ、よく考えてみたらこれに乗れば、途中川部駅で奥羽本線に乗り換えなくても、直接、青森駅まで行け
ちゃうし、かえって楽かもね。
それに、五能線が止まっていたのだったら、陸奥鶴田駅でも足止めされていたかもしれない。
あのとき、タクシーで直接、立佞武多の館に行ったのは正解だったかも。
交通手段は、あらゆる方法を検討して、場合によっては予定を変更することも考えましょう!
などと話をしていたら、バスはどんどん山の中へ入っていきました。
バス停が雪で埋まってしまっています。
これでは、どこに立ってバスを待てばいいのかわかりません!
カーブミラーも埋まっています!聞きしにまさる凄い雪の量です!
そして、なんとか無事に青森市街に到着しました。なんとなく窓から外をみていたら、目的の味噌カレー牛乳ラーメンの店「味の札幌 大西」の看板を発見!
すぐに「バス降ります」ボタンを押して下車しました。お店の前までいくと、ちょうどお昼の時間帯でしたので、すでに行列が並んでいます。
青森駅周辺には他にも「味の札幌 あさり」が有名ですが、営業時間でこちらを選びました。
並んで順番を待つこと約20分、係の人に呼ばれて店内のテーブルへ。
うん!評判通り、たしかに美味しいです。味は濃厚で、麺もしこしこして味噌とカレーと牛乳が喧嘩せず絶妙のハーモニーで、あとをひくおいしさです。(食レポ下手ですみません(;^_^A)
寒い日は暖かいラーメンが最高のごちそうです!ほんとうに大満足でした~!
つまようじでチッチッしながら、さあ、あとはお土産に青森の地酒でも買って帰るか~と思っていたのですが・・・
ところがついに、私達を最後の試練が待っていました!(まだあるのかよ~)
お土産を買えるところを教えてもらおうとして、青森駅前にある観光交流情報センターに行って係の方に聞こうとしたところ「えっ!これからどちらへ帰られますか?」と逆に聞かれ、「はい。奥羽本線で隣りの新青森駅までもどって新幹線で帰る予定です。」というと、「奥羽本線は今、大雪で止まっていますよ!」 だって!なんだって!奥羽本線も止まっている~?!
すると、案内係の方は、「目の前のバスターミナルから新青森駅経由の青森市営バスが6番のりばから出てますから、これに乗れば行けます。」とのこと。
「6番乗り場ですね!ありがとうございます!」と、慌てて6番乗り場まで行き、バスを待つ行列に並びました。
14時01分発のバスですが、大雪で遅れていて予定通りの時間になっても来ないようで、もし乗り遅れた場合、つぎのバスは45分後になってしまいます。
だんだん不安になってきました。帰りの新幹線は新青森駅15時52分発の「はやぶさ34号」です。
一番最初にお伝えした通り、今回の旅は新幹線はJREポイントを使い「どこかにびゅーーん」で来ているので、往復全額無料で来ていますが、もし他の便に変更にした場合は、この方法では変更ができないため、片道指定席2人分35340円を自腹で支払うことになってしまいます!これはまずい~!
さらにそのうえ、到着するバスのどのバスが新青森駅に行くのか、とっても分かりにくいのです。
前方の窓の上の行き先表示に「新青森駅行き」とかあればいいんですが、終点が「西部営業所」なので、行き先表示は「西部営業所」となり、「新青森駅南口」はその途中の下車バス停名になります。
そのため横の経由表示を確認しなくてはならず、バスが来るたびに急いで確認し、新青森駅に行くのかどうか運転手さんにも聞いてまわりました。
すると、ほかのバスを待っていた地元の方が、私達に声をかけてくれて「このバスは新青森行くよ!」と教えてくれたのです!
本当にありがとうございます!
そして、ひやひやしましたがなんとか無事「新青森駅」に到着しました。
「新青森駅」では、地酒2本をお土産で購入することができ、東京行きの「はやぶさ34号」に乗り、帰ってくることができました!本当にお疲れ様でした!
旅のまとめ
「リベンジ!東北最果て!津軽の雪は凄かった!」いかがでしたか?
いや~今回の旅は最初から最後までアクシデントの連発でしたが、当初の目的の東北最果ての感じは味わうことが出来たと思います。
しかし、やはり東北の人たちの生活を少しばかり体験させて頂きましたが、この寒さと雪の物凄さは、経験してみなければわかりませんし、これがひとシーズン続くのですから苦労は半端ありません。
暖かい春が来るのが待ち遠しいですね。
東北はまだ山形県、福島県がありますが、ここらでもうちょっと暖かいところにも行きたい!と、いうわけで、次回から新シリーズ「四国一巡めぐりましょ!しまなみ海道で広島にも行っちゃう?(仮称)」をお送りする予定です。どうぞ、お楽しみに!